「幸せな者」マタイによる福音書 5章3節

2017611日 特別伝道礼拝 大友正幸先生

 

「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。」(マタイによる福音書5:3)

 

「幸福なるかな、心の貧しき者。天國はその人のものなり。」(文語訳)

軍人であった父からは「貧しくても心の豊かな人になりなさい」と教えられて育ったため、この言葉の意味が分からなかった。現在の新共同訳聖書の前の共同訳聖書は「ただ神により頼む人々は幸いだ」と心の貧しさの内容を分かりやすく翻訳していました。心の貧しい人とは本当に神にのみより頼む人なのです。

 

東日本大震災が発生した時、岩手県大船渡市のクリスチャン医師の山浦玄嗣(はるつぐ)さんは、東北の人たちに福音を伝えるため自ら新約聖書を翻訳し「ケセン語訳新約聖書」を発刊しました。そこには「頼りなく望みなく心細い人々は幸せだ。神様のふところにしっかり抱かれるのはその人だ」と訳されています。それを読んだ人々の中に薬の足りない中で自分の薬を他者にゆずるという、いたわりの愛が起こったとのことです。ただ神により頼む時、神のふところに抱かれ、神の愛の注ぎを受けることができます。